
まだ私が若かりし短大生の頃の話。
仲の良かった友達と、奈良公園へお弁当を持って出かけた。
楽しく、かしましく昼食をいただく予定だった私たち5人に迫ってきたのは「鹿」。
もちろん彼らの目当ては、「5人娘」ではなく「弁当」だ。
最初は笑いながら逃げていた私たちも、この鹿たちの攻撃には敵わず、
どんどん居場所をなくし、とうとう公園にあった滑り台の上まで駆け上がった。
狭い滑り台の上で、迫りくる野生動物に対処できず、5人くっついて震える私たち。
あの時、共にドキドキした娘たちは、それ以上にドキドキな経験を積み重ね大人になった。

鹿から逃れた私たちは、帰途につく途中で一件のお店へ入った。
そして、ここで頂いたわらびもちのことを、20年近くたってもずっと忘れられずにいたのだ。

茶室を思わせる、小さくまとまった個室と、のんびり寛げる雰囲気。
もう一度行ってみたい、と思うも、記憶は薄れ、場所もどこだか定かではなかったからである。
そして、今回の一時帰国で奈良の春日大社へ行った帰りに、とうとう再会した。
あの時の茶屋に再び出会った。
実は、ここに辿り着く前に、春日大社に近いところで「わらびもち」という看板につられ、
一件の店へ入った。
が、そこでは生憎わらびもちは売り切れ。
仕方なく、トボトボと腹ごなしになるものを探し求めていた所だったのだ。
そして再会!!
蘇る20年前の記憶。

今回、一緒に奈良へ行った友達にこのことを話すと、
「さっき あそこでわらびもちが売り切れていたのは ここに来るためだったんやね」と。
そう、ここに来るためには、腹も空き、「口に入ればなんでもいいか」とも思った。
でも、完璧なタイミングで出会いは用意されているんだな。
響く一言、友人Sの人生を語るようなこのセリフよ。
それにしても、20年なんて、あっと言う間。
いつも最後まで読んで頂きありがとうございます。
人気ブログランキングへ